【実例】スズメバチの巣の駆除料金。見積もり内容と作業の流れについて

田舎に戻ってきた翌年、玄関脇にスズメバチが巣を作ってしまったため、駆除作業を専門業社に依頼しました。

その際にかかった駆除費用は、総額35,720円でした。

なぜその値段だったのか、ハチの巣の状況はどうだったのか、業者の方の仕事の流れは…といった点について書き記しておきます。

スズメバチの巣の駆除。頼む時のポイントは

スズメバチ駆除の専門サイトなどで提示している料金は、最低料金であることがほとんどです。

自分の場合はいくらになるのか、できるだけ詳細を伝えて、事前に以下のことをしっかりと聞いておくことがポイントです。

◎出張料金の有無

◎巣の大きさで料金が変わるか

◎スズメバチの種類で料金が変わるか

◎他に追加料金はあるか(高所、夜間など)

これだけのことをあらかじめ聞いておけたら、現場でまったく違う金額を提示されることもないでしょう。私は詳細を確認できていなかったので、あたふたすることになってしまいました。

ただ、「現地で見ないとはっきりした料金は伝えられない」と言われるケースも多々あるようです。

あまりに料金をぼかすようなところは、避けた方が賢明かもしれません。

スズメバチの巣の状況

蜂の巣軒先

我が家の場合、自宅(一戸建て)の玄関のすぐ横の軒下に、いつのまにかスズメバチが巣を作っていました。

気がついたのは8月上旬で、その時の巣の大きさは大人の握りこぶし程度(直径10センチくらい?)でした。

注意してみていると、巣の周りを飛び交っているハチは多い時で3匹くらいだったので、なんとか自力で駆除しようかとも思ったのですが、手間や危険度を考えてやはり専門家に依頼することに決めました。

実は我が家(及び家の周り)ではこれまで何度もスズメバチに巣を作られていて、

・2階の天井裏

・植木の枝が茂る奥

・今回と同じ玄関脇

と、数年に一度のペースで巣を発見しては頭を悩ませていました。

そのうち、2階の天井裏と植木の奥の巣は放置を決め込み、前回の玄関脇の時だけ近所のおじさん(今は他界)に駆除してもらったのでした。

スズメバチがその巣を使うのは1年限りなので、めったに近づかない場所なら放っておいてもいい、というのが持論でしたが、玄関脇はどうしても危ない。

というわけで今回は、ハチの巣駆除の業者を当たることにしたのです。

蜂の巣駆除を依頼する

スズメバチの巣の駆除を依頼するには、いくつかの選択肢があります。ざっくり分けるなら、

・地元役所に依頼

・民間の専門業社に依頼

のどちらかが多いと思われます。

以前見たテレビ番組で、市役所の職員がスズメバチ退治や巣の駆除をしてくれるところがある…というのを覚えていたので、まずは地元の役所に聞いてみました。

実際に依頼したのは、巣を発見してから少し経った、8月下旬でした。

役所経由で業社に尋ねてみた

役所の生活課に電話してみたところ、私の住んでいる地区では残念ながらスズメバチ等の巣の駆除は行っていないことが判明。

その際、役所が紹介する専門業者に尋ねるようにと、連絡先を伝えられました(たらい回し)。

早速、役所で教えてもらったA社に電話してみると、どうやらそこは駆除業社の手配や管理を行う会社のようでした。

自宅住所(巣のある場所)、電話番号、現在のハチの巣の様子などをざっくりと話し、一旦電話を切りました。

ほどなく、「A社から情報を聞いたB社」の方から折り返し電話がかかってきました。

B社は実際に作業を行う会社で、所在地は我が家から車で1時間30分ほどかかる場所。

我が家方面で駆除の作業があるのが3日後なので、よければその途中で立ち寄って現地見積もりをするとのこと。

見積もり自体は無料で、依頼されればそのまま作業するし、断るのも自由だと言われました。

事前にいくらくらいなのか聞きたかったのですが、なかなかズバリの金額は話してもらえませんでした。

B社:現地で確認しないと、はっきりした金額がわからないので…巣の大きさとか、場所とかにもよりますし。

私:だいたい10センチくらいのスズメバチの巣なんですが…

B社:ああ…あとスズメバチの種類とかですね。

私:だいたいでいいのですが、目安の料金を教えてもらえないでしょうか?

B社:スズメバチの基本料金は18,000円からになります。

私:18,000円以上ということ?

B社:そうですね、詳しくは見てからということで…

このように、電話でズバリの金額を言ってもらうのは(後述しますが)難しいようです。

現地で確認しないとわからないというのも理解できなくはないですが、なんとなく「怪しい」「高そう」という不安感がぬぐいきれず、その時は無料見積もりで立ち寄ってもらうことのみ依頼しておきました。

インターネットで自分で探してみた

まずは一つの業社の料金目安(18,000円)がわかったので、他の業社も当たってみることにしました。

ネットで「スズメバチ 巣 駆除」で検索すると、検索結果以外にもいくつかの業社の広告が出てきます。

それらを吟味しながら、「業界最安値に挑戦」というC社にまずはメールで尋ねてみました。Webサイトでは「スズメバチ15,000円から」と記載されていました。

(注:後日、同サイトを確認してみると、「スズメバチ9,000円から」に料金変更されていました。時期によって違うのか?その時々で料金が変わっているようです。)

1時間ほど経ってから、私の携帯(連絡先はメールに記載)にC社から電話がかかってきました。

C社:メールでお尋ねいただきましてありがとうございます。(その後、記載内容の確認)

私:他の業社さんに聞いてみたら、18,000円からと言われたのですが、そちら(C社)は15,000円ですよね。

C社:スズメバチの基本料金はそうですね。詳しくは現地を見てからになりますが。

私:メールに記載した通りの巣の大きさ、場所なんですが、料金わからないですか?

C社:そうですね…(やっぱり言わない)B社さんの見積もりが◯月◯日の17時ですよね?でしたらうちは、その前にお伺いできますが。

私:ああ、その場で見積もりしてくれるんですね?

C社:そうです、見積もりは無料ですのでその時に決めていただければ。

といったやりとりがあり、C社にも見積もりを依頼しました。

もしもC社が15,000円で済むのなら、そのまま作業をやってもらい、B社にはすぐに断りの連絡を入れる腹づもりでした。

他にもいろいろと調べてみたところ、ほとんどの業社が、

・見積もりは無料

・電話やメールでは実際にいくらかかるのか教えてくれない

というのがわかりました。

知りたいのは「実際に<総額>でいくらかかるのか」なので、それが事前にわからないと非常にモヤモヤしたままになります。

ですが、事前にはっきりと知らせないのが業社の方々の戦略なのでしょう。

当日のハチの巣駆除業者の対応

◯月◯日14時にC社がやってきました。

作業車に乗っていたのは作業員が1名。早速現場を見てもらいながら見積もりを聞くことになるのですが…

C社作業員:ああ…これですね。キイロスズメバチですね。

私:キイロですか。

C社作業員:高所でもないし、このサイズだと15センチないくらいなので、34,000円ですね。

私:え?

口頭でサクサクっと見積もり料金を言われたのですが、事前に聞いていた15,000円〜とは大きくかけ離れています。

「15,000円から(それ以上)」とは理解していても、倍以上の見積もりに頭が混乱してしまいました。

私:え、ちょっと聞いていた値段とちがうんだけど…34,000円?

C社作業員:そうですね。

私:内訳教えてもらえますか?

C社作業員:えーと、まず基本料金が15,000円で、出張料金が4,000円。あと大きさ5センチごとに15,000円増えます。今、この巣だと15センチいかないくらいなので、合計34,000円ですね。それプラス消費税です。

詳しく聞いてみると、キイロスズメバチの場合、

・基本料金:15,000円(巣の大きさ10センチまで)

・出張料金:4,000円(どの地域がいくらなのか、聞くのを忘れた)

・作業料金:15,000円(巣のサイズが5センチ大きくなるごとに加算)

・プラス消費税

曲者はこの「作業料金」でした。「5センチごとに基本料金と同じ額が加算されていく」というのは聞いていなかったので(想像していなかったので聞けなかった)、非常に驚きました。

巣のサイズもきっちり定規などで測ったわけではなく、あくまで目測です。

もちろん、巣が大きければそれなりに費用も増えるとは想定していましたが、事前にサイズ感は知らせていたし、それに見合った見積もりだと勝手に思い込んでいたのです。

この作業料金の衝撃が大きかったので、出張料金が発生することは聞くのを忘れてしまいました。

(後日、同社のWebサイトを確認してみると、小さく「出張料金を頂戴します」といった記載がありました)

領収書の欄を見てみると、他にも「特殊作業料金」「夜間・早朝料金」「残材処理料金」など多数の項目が並んでいました。

今回はそれらの料金は発生しませんでしたが、高所作業や夜間などは適宜加算されていく料金体系のようです。

それらの作業にお金がかかるのはわかるのですが、明細をその場でしか知らされないのは理不尽な気がしました。

私:34,000円プラス消費税か…ちょっと想像より高いので、このまま帰ってもらえば無料なんですよね?

C社作業員:ええ、そうですね。ただ巣はどんどん大きくなるので、もし次回お願いされたとしても、同じ金額ではできないかもしれないです。

私:そうなんですか?

C社作業員:大きくなったらその分料金は増えるので。

この「次に依頼された時は今より高くなりますよ?」という営業トークは、けっこう効果的ですね…

いずれにしても駆除しないといけないし、それなら今、費用が上がらないうちに…と思ってしまいます。冷静に考えれば他にもやり方はありそうですが、現場判断の焦りというのは恐ろしいものです。

想定した見積もりを大きく超えており、悩んだのですが、結局34,000円プラス消費税でC社に作業を依頼しました。

結局支払ったのは、

34,000円×1.08−1,000円(ネット経由の割引)=35,720円

となりました。

後から来るB社にあらためて聞いてみてもよかったかもしれません。

ただ、他社サイトなどを調べてみて、どこかの業者が飛び抜けて料金が安い、という業界ではない気もしていました。

B社にも同じような料金体系で言われそうな予感がしたので、結果としては見積もりに納得して(本当は諦めて)そのままC社に依頼したのでした。

スズメバチの巣駆除作業の流れ

お願いしてからの作業は手際のいいものでした。

作業員の方は来た時の軽装のままで、ハチの巣に薬剤スプレーをしばらくの間噴射し、蜂が弱ったり落ちたりしたところで長い竿のようなもので巣を切り落とし(こそげ落とし?)ました。

落ちた巣や残骸、死んだハチなどをビニール袋に入れて、作業終了です。実質20分かからないくらいでした。

ビニール袋の中の蜂の巣

巣の残骸。そんなに大きくなかったが想像以上の数のハチの子が…

私:うわ…けっこういますね。

C社作業員:キイロスズメバチは数が多いので、パッと見4、5匹でもそれどころじゃないですね。

私:防護服とか着ないんですね。

C社作業員:ああ、このくらいの大きさの巣なら、阿吽の呼吸というか、タイミングを見計らって作業する感じですね。

(同社のサイトをみると、本当は防護服を着用するのが基本のようでしたが…)

私:スズメバチが戻ってきて巣のあった所で飛んでますが…

C社作業員:薬剤が残っているので大丈夫です。残ったスズメバチは、もう巣は作らないです。

(え、そういうもんなのか…)

私:まだこれから作業はあるんですか?

C社作業員:そうですね、もう数箇所行く予定です。多い時は1日10箇所以上やりますね。

作業員の方は関西方面から助っ人で来ているとのことでした。作業を行った時期(8月下旬)は依頼が多いので引っ張りだこのようです。

ハチの巣駆除は早めの対応が大事

結果として心配の種は消えましたが、かかった費用は想像以上だったので少しショックでした。

実際に頼んでみなければ総額がわからず、料金内容も各社ブラックボックスなので、その点は大いに不満が残りました。

ただ、巣が大きくなればなるほど料金が増していくようなので、依頼するのなら早めにした方が安上がりになります。

各社のWebサイトには「お客様の声」として好意的な内容ばかりが並んでいますが、正直「本当かな?」と疑ってしまいます。

ただ作業的には非常に手慣れた様子で、何よりも自分で危険な目にあわずにいられることは、何よりのメリットです。

スズメバチの巣の駆除をお願いする人は皆、すごく不安だったり切羽詰まった方もいると思います。

そういった時に、料金の目安というか、一つのサンプルケースとして参考になれば幸いです。

蜂の巣駆除を自力でやる場合

植木の奥の蜂の巣

何年か前、植木奥につくられた巣

業者に頼むのはお金がかかる、あまり高額だともったいないから…などの理由で、自分で蜂の巣駆除を行うケースもあるでしょう。

怖いのはやはり蜂に刺される危険があることです。

アナフィラキシーショックをはじめ、命に関わることもあります。

我が家も、これまで何度もスズメバチが巣を作るような環境なので、今後自分で駆除作業をすることもあるかもしれません。

その時のために、なるべくハチに刺されない対策を整理しておきます。

・作業時間帯は日没から2〜3時間後を目安に

ハチはほとんどが夜になると飛ぶことができないため。(但し一部のハチは夜の9時頃でも活動することがあるので注意)

・懐中電灯は自分で持たない

ライトの方向に向かってくることがあるため、照らすなら自分のいない方向から。赤いセロハンなどを被せるとより安全に。

・白っぽい服装にする

ハチは基本的に黒っぽい色に攻撃してくる。白い服装だと危険性は低くなる。

・防護服は隙間をつくらない

厚手の作業着の上に雨ガッパを重ねるなどで防御。特に顔や頭部、首周りは隙間ができないように。頭部分は、視界と防御をしっかり確保したい。

・強力な殺虫剤を使う

市販の合成ピレスロイド系殺虫剤を使用。スプレータイプのものを、数本用意しておく。

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